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5年生存率の虚実と手術の功罪

近年はがん検診の一般化や検査機器の発達に伴って、 がんが早期に発見されるようになりました。 中でも最新式の陽電子放射断層撮影装置による ポジトロン断層撮影法:Positron Emission Tomography 通称PET(ペット)であれば、最小2mmのがん細胞でさえも発見できる時代になりました。 その影響でがんの早期発見率は飛躍的に向上しました。 つまり、一方で以前の検査レベルであれば、 発見されなかった小さながんまで発見されることにようになったのです。 このことは、がんが早期発見される患者数の絶対数を激増させ、 それに伴い、がん患者の総数、手術/抗がん剤治療の患者数も増えました。 結果として、完治の目安とされる5年生存率が良化しました。 この統計は、分母の患者数が激増したための数字のマジックです。 分子としての癌で命を亡くす方の人数は増える一方なのですから。

がんの早期発見は、場合によっては弊害をもたらすことは余り知られていません。

がんには進行が早く、転移性である所謂 悪性腫瘍という種類と、 進行が遅く転移もせず、 やがては体調の回復に伴う免疫機能によって駆逐されるものも多いのです。 このあたりは、「切らずに治す」等々の文献にも述べられていますが、 何でも外科的療法で対処したがる医師には注意が必要です。 誰しも「腫瘍」の存在を告げられると、すわガンかと少なからずパニックになります。 微妙な初期の腫瘍の場合、それが悪性か良性かを判断することは、 多くの場合困難です。しかるに、医師が結論を述べることはありません。 やんわりと「手術した方がよいが、経過観察することもできる」と。 患者は多くの場合、"焦り"と"潔さ"を混同して、 医者が遠回しに薦める手術を選択し、体を傷つけてしまうのです。

手術を否定しているのではありません。必要な手術は受けねばなりません。 しかし、手術をしないことのリスクの対極にある、 手術をすることのリスクを理解して決断すべきなのです。 健康な人間が体にメスを入れることは大変な状況変化です。 医者にとって簡単な手術と考えられても、 確実に患者側には大なり小なりのリスクを伴います。 手術ミスや麻酔事故はさておき、 検査中にでも血栓の発生で脳梗塞が起きる例は多く、 また、切開部分の表面神経の切断でスビレ等の多少の麻痺が残ることは、 がん患者のカテゴリーに入れられた人間に対しては 全く問題にされることが無いのです。 人間の体は一度切ってしまうと必ず傷跡が残るのは当たり前ですが、 見た目以上に神経や筋肉繊維の組織に不具合の残ることが多いのです。 「一度でも体に穴を開けるとそこから気が漏れ出す」との説も侮れないかもしれ ません。このようなことは医者から一笑に臥されるのでしょうが... 生死に関わる疾病の前には、些細なQOL(Qoulity of Life)の低下を述べる必要もないのかも しれませんが、必要性に疑問の残る手術をしたのであれば話は違います。

ここで、最も注意を払わねばならないのは、不可避の手術の術後ケアです。 術後の体力の低下とそれにともなう免疫力の低下が 深刻な事態を引き起こすリスクを十分に考慮する必要があります。 傷ついた体は免疫力が分散し、 微小に転移もしくは新たに生まれたがん細胞にとっては、 絶好の増殖機会を与えられたことになります。 もちろん病院はその点も併せてケアしてくれる"はず"ですが、 手術/抗がん剤治療に続いて、痩せ細り生命力が失われていく患者さんは、 誰しもが多く目撃させられた事実を、 不思議に自分の時には忘れてしまうようです。 医師と納得の行くまで話し合い、手術の決断をした時には、 手術の後にこそ細心の注意を払い、 体力と免疫力の強化をすべきと言えます。


回避可能なら手術はしない。
手術するなら万全の術後対策を意識する。


医師に全幅の信頼を寄せることと、言いなりになることは違います。 自分のことは自分で全ての考え、判断し、行動せねばならない覚悟を。


 

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