末期乳がんに3ヶ月の余命延長新薬

病院でのがん治療は事実上承認されている抗がん剤を全て使い切った時に終わります。医師としては未承認薬や統合医療などの混合医療に踏み込むことは、殆ど無いのが実情です。

その中で、乳がんに新薬が承認されたことは、乳がんを闘う患者と家族にとって朗報ではあります。望みの在る抗がん剤がリストでまだ残っているというのは、まだまだ生きるための可能性が用意されているのに等しいからです。

しかし、抗がん剤新薬の実情は非常に酷なものです。今回承認された乳がん新薬余命が約3ヶ月伸びることが薬効とされています。一方で副作用は確実に発生します。副作用が厳しい場合には投薬は中止されますが、酷い場合には副作用のために体力消耗し病状悪化することも珍しいことではないのです。抗がん剤の選択には、効果と副作用を慎重に比較して、決断することが重要なのです。

 

2011年4月22日 キャリアブレイン

新規抗がん剤ハラヴェンが承認取得- エーザイ

エーザイは4月22日、新規作用機序の抗がん剤ハラヴェン静注が「手術不能又は再発乳がん」の効能・効果で製造販売承認を取得したと発表した。既に欧米などで承認されており、エーザイは3月に発表した中期戦略計画で、ハラヴェンの2015年以降の全世界売上高目標を20億ドルとしている。

欧米を中心に行ったグローバルフェーズ3試験では、主要評価項目である全生存期間中央値がハラヴェン投与群では13.1か月となり、主治医選択治療群の10.6か月に対し、2.5か月間延長したという。
ハラヴェン投与群で高頻度(頻度25%以上)で認められた有害事象は、無気力(疲労感)、好中球減少、貧血、脱毛症、末梢神経障害(無感覚、手足などのしびれ)、吐き気、便秘だった。このうち、特に重篤な有害事象として報告されたのは好中球減少(発熱を伴う症例が4%、発熱を伴わない症例が2%)。投与中止に至った主な有害事象は末梢神経障害(5%)だった。

通常、成人には、1 日1 回1.4 mg/平方メートル(体表面積)を2-5 分間かけて、週1 回、静脈内投与する。これを2 週連続で行い、3 週目は休薬する。これを1 サイクルとして、投与を繰り返す。患者の状態により適宜減量する。

2011年4月22日 日本経済新聞

エーザイ、生存延長の治験結果を持つ乳がん治療薬の承認取得

エーザイは22日、乳がん治療の抗がん剤「ハラヴェン」の日本での製造販売承認を取得したと発表した。臨床試験(治験)でハラヴェンを投与した乳がん患者は、他の抗がん剤などで治療した患者と比べ、生存期間が約3カ月長かった。薬価(医薬品の公定価格)が決まり次第、発売する。

ハラヴェン投与患者の生存期間の中央値は13.2カ月で、他の治療法では10.5カ月だった。エーザイは欧米でも承認を得ており、各国で順次発売する。2015年までに10億ドル(約820億円)の世界売上高を目指す。

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末期乳がんに3ヶ月の余命延長新薬 への1件のコメント

  1. Gimin Ko より:

    末期乳がんの友達はエーザイのハラヴェンを購入したい場合、如何すれば良いでしょうか。お教え頂けますか。

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