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天然信仰と自然幻想の迷信

巷に溢れる「自家製天然酵母」を名乗るパンには閉口しています。
パン生地の発酵に十分な数の酵母は天然=野生で捕獲することはほぼ不可能なはずですが、 野生の酵母を少量採取して来て後に、自家培養して増やした酵母を用いているのでしょう。 ここには"自家製"の時点で既に"養殖酵母"だという決定的な矛盾があります。
しかし、美味しいお店が多いのも事実です。 美味しさの秘密は、酵母のみによる発酵/膨張によって、 発ガン性が疑われる化学膨張剤の使用を回避していることです。正しい呼称は「自家製酵母パン」とされるべきでしょう。 しかし、「天然」という語句は、信仰や幻想とも言えるほどに人々に意味もなく好印象を与えるため 怪しい健康食品の宣伝にもよく用いられるのです。


「天然」や「自然」を売り物にする健康食品があります。 この類の宣伝を用いている販売店はかなりの確率で、 怪しい商品を販売しているとみて間違いありません。

そもそも「天然」とはなんでしょう? 「自然」には何の価値があるのでしょうか?

食味と追求する通常食品であれば、魚類に顕著なように 養殖モノとの対極となる天然モノは、 その複雑な滋味によって、えもいわれぬ味わいとなって差別化されます。 養殖では餌が均一化されたり、餌への薬剤添加によって風味が浅くなりがちですが、 天然モノでは地場の多様な餌を食することで、独特の風味を持つこととなるのです。 また、天然塩などでは、純粋な"塩"つまり塩化ナトリウム(NaCl)に、 ミネラルなどの不純物が残存することが「味わい」となっています。

しかして、健康食品の場合はどうでしょう。 「天然」とは人間の手が入っていない山野に育ったという意味のはずですが、 本当に天然ならば稀少な存在としての価値は高いのでしょうが、 何が混じっているか解らないモノであるとも言えます。 この「何か解らない→神秘的→奇跡的な回復」という思考は、 大変に危険な幻想です。 まともな健康食品であれば、特にがん(癌)に対する健康食品であれば、 有効な成分は特定されています。 キノコ類であればβグルカン、サメ軟骨であればコンドロイチン硫酸です。 これらの有効成分以外はいわば不純物と言えます。 健康食品においては食味は不要なので、 有効成分の純度がより高い程に効能にも高い期待が持てます。 別の視点では、有効成分以外の「天然・自然」に由来する不純物は極めて危険とも言えます。 何が入っているか解らないということは、 予期せぬ副作用をもたらす危険を秘めているのです。

「天然・自然」だから安全なのではなく、
「天然・自然」だからこそ慎重に不純物を除去しなければならないのです。

その意味においては、「天然」「自然」を標榜する商品は、 無駄な不純物が多く残されているにもかかわらず、 逆に価格は付加価値が付いたことで高騰しています。

健康食品においては、「天然・自然」は幻想でしかなく、 高価な費用で購入する価値は無いと言えます。 がんに対してより有効成分の純度が高い商品を選択すべきです。
ただし、価格と有効成分の含有量がバランスしていることの確認が必要ですが。



 

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