通常の細胞は、一定期間の働きの後に自滅します。いわゆる新陳代謝という現象によって、全ての正常な細胞は新しく生成されては死滅することを繰りかえすのです。これは各細胞のDNAに記憶=プログラミングされており、全て自動化された営みなのです。そして、このサイクルが円滑に廻っている場合の「細胞の自滅」する現象と「アポトーシス」と呼びます。
全ての細胞はアポトーシス(自滅)によって、その働きを終え、新しく生まれた細胞に置き換わるのですが、何らかの原因でDNAに異常を来たした細胞は自滅せずにそのまま行き続けます。悪性腫瘍を形成するがん細胞は特殊な細胞で、自滅しない、アポトーシスしないことがその特殊性の最たるものなのです。さらに悪いことにがん細胞はその性質を保ったままに増殖するのです。そのためにがん(癌)が肥大化または転移という事象が起こってしまいます。このようながん細胞は、全ての人間の体内に毎日数千個発生していることが知られていますが、その殆どは免疫細胞によって除去されています。しかし、免疫力が落ちていると増減のバランスが崩れることから、がん細胞の数が増大し、悪性腫瘍となるのです。
ここで、ある種の食品は、がん細胞のアポトーシスを誘導する作用があるらしく、下記のような健康食品が抗がん機能食品として注目されています。
これらの健康食品は、別途に免疫活性を高める健康食品を基本として摂取しつつ、付加的に用いることでがんを縮小・消滅させる機能性が期待できます。
これらの商品で最も有名なのは「フコイダン」でしょう。昆布やモズクのヌルヌルの主成分がフコイダンの正体です。もちろん通常の食品を摂取していてもフコイダンを摂取できているわけですが、癌などの慢性的な症状が明白な状態の場合には、サプリメントで集中的に食することで抗がん作用が期待されます。
最も多く流通しているのは、トンガ産 沖縄産のモズクを主原料とした商品で、液体タイプと粉末タイプの両方があります。
なお、「低分子」の有効性を語る販売者に共通して、最重要であるはずのフコイダンの含有量が未記載であることが多く、この手の業者に限ってフコイダンの含有量が明示されていません。
フコイダンの分析の手法が確立されていないため、濃度の議論は少ないようですが、消費者としては含有量を明示して頂きたいものです。
液体タイプの中には1本4万円と高価ながら、週2本以上もの大量飲用を推奨するような商品もありますが、これに従ってしまうと月数十万円の出費となります。ある種の脅迫とも言うべき販売手法なので注意が必要です。
濃度を勘案しながら商品を比較して、月数万円程度で十分に良品が流通しています。